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1 出会い
──ここは繚乱学院。竜也は生徒会室に向かっていた。
そんな彼の姿を、道行く生徒達はまじまじと見つめている。
(……俺が生徒会に入ったこと、もう知れ渡ってるのか)
過度の注目に居心地の悪さを覚え、竜也は歩く足を少し早めた。
(まぁ、注目されるのも無理ないか……生徒会のことはみんな怖がってるし……)
……繚乱学院生徒会。能力者の……呪いの子の集まり。彼らの周辺に居た人物は、不幸になるという……その噂もあってか、生徒達は皆、彼らを恐れている。
「あいつ……生徒会に入ったんだろ?」
「ああ……じゃあ、あいつも呪いの……」
廊下の脇で、男子生徒がコソコソと話す。しかし、竜也にはバッチリ聞こえていた。
(……ほんと、嫌になりそうだ)
竜也は下を向いて、足早に彼らを通り過ぎる。廊下を曲がって、生徒会室に辿り着いた。
「……失礼しまーす」
竜也がドアを開け、生徒会室に入ると……そこには異様な光景が広がっていた。
「みんな……寝てる?」
机に突っ伏す者、ソファに寝そべる者……中には、床に転がっている者までいる。
(1人や2人ならまだしも……この状況、普通じゃない!)
竜也は床に寝そべる珠喇に駆け寄り、体を揺さぶった。
「おい……おい!起きろ!何があった!?」
しかし、彼が目を覚ます気配はない。それどころか、竜也にも猛烈な眠気が襲いかかる。
「なん……だよ、これ……」
眠気に耐えきれず、竜也は床に倒れ込んでしまった。
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