4 祈りの祭り

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* * *  その頃、白雪と翔太、珠喇と香偲はたこ焼きの屋台に並んでいた。 「たこ焼きってさ、たまにめっちゃ食べたくなるよね」  珠喇の言葉に、翔太は頷いた。 「ああ……分かる」 「なんか特別感あるよな~。祭りの食べ物って感じで」  香偲がそう言う横で、白雪はきょとんとしていた。 「白雪……どうかしたん?」 「たこ焼きって……どんな料理なんだい?」  白雪の思わぬ発言に、珠喇と香偲が固まる。 「え……?」 「は?食べたことねぇのか?」  戸惑う2人に、白雪はさも当然のように頷いた。それを見た翔太が、溜息をついて説明する。 「白雪さん、お金持ちの家の御曹司だから、祭りの食べ物なんて食べないんだ」 「お、御曹司……」 「マジか……人生の半分は損してるぜ……」 「そんなに美味しい食べ物なの?」 「ああ。外はサクサク、中はトロトロの小麦粉の生地、プリプリしたタコ、味を締める薬味、それに、ソースとマヨと青のりが乗ってて……ガチで美味い」 「そっか……楽しみだな」  白雪は目を輝かせながら屋台の方を見た。いよいよ4人の順番が回ってくる。 「次の人ー!」 「たこ焼き8個下さーい」  珠喇が注文して、財布を出す。すると、店員の男性がそれを見て微笑んだ。
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