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その頃、白雪と翔太、珠喇と香偲はたこ焼きの屋台に並んでいた。
「たこ焼きってさ、たまにめっちゃ食べたくなるよね」
珠喇の言葉に、翔太は頷いた。
「ああ……分かる」
「なんか特別感あるよな~。祭りの食べ物って感じで」
香偲がそう言う横で、白雪はきょとんとしていた。
「白雪……どうかしたん?」
「たこ焼きって……どんな料理なんだい?」
白雪の思わぬ発言に、珠喇と香偲が固まる。
「え……?」
「は?食べたことねぇのか?」
戸惑う2人に、白雪はさも当然のように頷いた。それを見た翔太が、溜息をついて説明する。
「白雪さん、お金持ちの家の御曹司だから、祭りの食べ物なんて食べないんだ」
「お、御曹司……」
「マジか……人生の半分は損してるぜ……」
「そんなに美味しい食べ物なの?」
「ああ。外はサクサク、中はトロトロの小麦粉の生地、プリプリしたタコ、味を締める薬味、それに、ソースとマヨと青のりが乗ってて……ガチで美味い」
「そっか……楽しみだな」
白雪は目を輝かせながら屋台の方を見た。いよいよ4人の順番が回ってくる。
「次の人ー!」
「たこ焼き8個下さーい」
珠喇が注文して、財布を出す。すると、店員の男性がそれを見て微笑んだ。
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