6人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
「ゴミ箱ゴミ箱……あ、あったあった!」
アヤカはゴミ捨て場で綿あめの棒を捨て、3人の所へ戻ろうとしていた。
「それにしても、すごい人の量だなぁ……あ、全部魂なんだっけ」
アヤカは、魂達の間を縫いながら、愛達の元へ向かおうとする。しかし、その時。
ドン!
「きゃっ!?」
誰かとぶつかって、派手に転んでしまった。
「痛たたた……」
「すみません。大丈夫ですか?」
アヤカが見上げた先に居たのは、サイラスだった。
「あ……ごめんなさい!」
「いえ、大丈夫ですよ」
サイラスは微笑みながら、アヤカに手を差し伸べる。
「サイラスっち、ありがとね」
アヤカはその手を握って立ち上がる。
……その瞬間。
(……え?)
アヤカの頭に朧気ながらサイラスの情報が流れ込んできたのだ。
──絶望、渇望、そして……彼がこれから、何をしようとしているのか。
「っ……」
アヤカは慌てて手を離した。
「……どうかしましたか?」
サイラスは不思議そうに尋ねる。アヤカはそれを見て愛想笑いを浮かべた。
「ううん!助けてくれて、ありがとね!それじゃ!」
最初のコメントを投稿しよう!