5 悪霊ドウェイン

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目を丸くして身構えるルーナに、ドウェインはニタリと笑って見せた。 「久しぶりだな、小娘」 「どうして……どういうことなの!?サイラス!!」 「君と生まれ変わるため……禁術に手を出したんだ。さぁ、ルーナ……」 「嫌!!」 ルーナはサイラスの手を振りほどくと、霧の外へ向かって駆け出した。 しかし、いけどもいけども霧は深く、抜け出せない。 「っ……誰かっ!!誰か助けて!!」 ルーナが叫んだ、その時。 「『加速』!!」 聖夜が高速でルーナに近づき、その肩を抱いた。 「大丈夫か!?」 「あなた、特部の……!」 「ルーナっち!!大丈夫!?」 聖夜の後ろから、他の面々も追いついてきた。 「話はアヤカから聞いた。全部サイラスが仕組んでたんだよな?」 聖夜が尋ねると、ルーナは首を縦に振った。 「サイラスはどこにいるんだ?」 「あっちに……悪霊ドウェインと一緒にいます」 ルーナが指さした方から、サイラスがゆったりと姿を現す。 「ルーナ……どうして逃げるの?」 「サイラス……こんなの間違ってるわよ!私たちだけの為に、ほかの魂をドウェインに差し出すなんて!!」 「でも、こうするしかないだろう?何もかも君に任せっきりな民達なんて、犠牲になってしかるべきだ」
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