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目を丸くして身構えるルーナに、ドウェインはニタリと笑って見せた。
「久しぶりだな、小娘」
「どうして……どういうことなの!?サイラス!!」
「君と生まれ変わるため……禁術に手を出したんだ。さぁ、ルーナ……」
「嫌!!」
ルーナはサイラスの手を振りほどくと、霧の外へ向かって駆け出した。
しかし、いけどもいけども霧は深く、抜け出せない。
「っ……誰かっ!!誰か助けて!!」
ルーナが叫んだ、その時。
「『加速』!!」
聖夜が高速でルーナに近づき、その肩を抱いた。
「大丈夫か!?」
「あなた、特部の……!」
「ルーナっち!!大丈夫!?」
聖夜の後ろから、他の面々も追いついてきた。
「話はアヤカから聞いた。全部サイラスが仕組んでたんだよな?」
聖夜が尋ねると、ルーナは首を縦に振った。
「サイラスはどこにいるんだ?」
「あっちに……悪霊ドウェインと一緒にいます」
ルーナが指さした方から、サイラスがゆったりと姿を現す。
「ルーナ……どうして逃げるの?」
「サイラス……こんなの間違ってるわよ!私たちだけの為に、ほかの魂をドウェインに差し出すなんて!!」
「でも、こうするしかないだろう?何もかも君に任せっきりな民達なんて、犠牲になってしかるべきだ」
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