5 悪霊ドウェイン

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「面白い……やれるもんならやってみな!!」 ドウェインはそう言うと、ルーナを踏み潰そうと足を振り下ろした。 「ルーナ!」 それを間一髪で理央が抱え、空中に逃げることで躱した。 「林!そのままルーナを守ってろ!」 「えー!?人抱えながら飛ぶの結構きついんだけど!?」 順の言葉に、理央は顔を顰めた。 「理央さん、頼みます!!」 「会長……!!うん!任せろ!!」 シエに声を掛けられ、理央は顔を輝かせながら頷いた。 「理央、ブレないな……」 竜也はそれを横目で見て苦笑いしながら、聖夜と共にドウェインへ突っ込む。 「喰らえ!!」 竜也の大鎌と、聖夜の拳が炸裂する……が、ドウェインの巨体はびくともしない。 「ハンっ!その程度か?」 ドウェインが手を振るうと、無数の黒い槍が竜也達に降ってきた。 (しまった!!) 竜也は思わず目をつぶる。その時。 「『氷結』!!」 白雪が指を鳴らすと、槍が凍りつき、バラバラに砕け散った。 「う……ゲホッ……」 白雪が胸を押さえて咳き込むのを、翔太と珠喇が支える。 「白雪さん!」 「白雪、大丈夫か?」 「うん……それよりも、闇雲に攻撃しても意味が無い。弱点を探らないと」 「白雪っち、それ、私に任せて!」 アヤカが手を挙げた。 「私があいつに触れて、情報を引き出すよ」 「でも、君は戦い向きの能力じゃないだろう?危険だ!」 「でも、私にしかできない事だから!」 「なら、オレが手ぇ貸す」 香偲が名乗り出た。 「オレがアヤカを守るから、アヤカはあいつに触れろ」 (お、オレがアヤカを守る!?ふぇ!?ていうか、こ、これって共同作業じゃ……って、ダメダメ!今は戦ってる最中!!) 「アヤカ、いけるよな?」 「う、うん!香偲っち、任せて!」
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