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そう言うシエの傍らで、順が厳しい顔をしている。
「……とはいえ、油断できませんよ。いつどこから何に襲われるか、分かったもんじゃありませんから」
「……ええ。それはそうですが……」
その時。
「誰かいる……!」
愛の声で、全員が一気に静かになった。耳を澄ませると、確かに足音が聞こえる。
(1人……2人……いや、それ以上?)
竜也達は部屋の出口の方を見つめて警戒した。竜也の脳裏に、これまで戦った敵が蘇る。
(……何が来ても、倒すだけだ)
竜也は大鎌を呼び出し臨戦態勢に入った。
……しかし、彼らの目の前に現れたのは恐ろしい怪物でも、危険そうな能力者でもなかった。
青いマントを身につけた、竜也達と年の近そうな7人の少年少女……聖夜達が、部屋に入ってきたのだ。
「うわ~!ここどこだよ~!」
「聖夜、落ち着いて!みんな不安なんだよ!」
「でもさ、目が覚めて変な場所にいたら、誰でも焦らないか?」
「それにしたって、焦りすぎ!」
「柊……厳しい……」
思っていたよりも安全そうな人物の登場に、竜也は何だか拍子抜けしてしまった。
「あの!」
シエが聖夜達に声をかける。聖夜達は自分達以外に人がいるとは思わなかったのか、驚いた様子で固まった。
「あの、あなた達は何者なんですか?」
シエの言葉に、聖夜達は不思議そうに首を傾げる。
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