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2話 つい、気持ちよくなっちゃう
面白かったらペコメやページスタンプなど頂けると嬉しいです(*´꒳`*)
*********
教室に入ると、私の姿の瑞貴が、私を見てふふっと笑った。
ふと、さっきまで慌ただしくて頭から抜け落ちていた朝の出来事を思い出してしまう。
とたん、顔が熱くなるのが分かった。瑞貴は色が白いから、今この顔はきっと真っ赤だろう。
それを見た瑞貴は、にやっと意味ありげに笑う。
ほんとに、私なのに私じゃない表情。やっぱり中身は瑞貴なんだ。
「あとでゆっくり話そう」
そう言われて頷いて、席に座る。
すると、
「お前顔どうしたの」
前の席の男の子が振り返って話しかけてきた。
ショータだ。瑞貴の友達の中では一人タイプが違う。一言で言ったらチャラい。
うちの高校は校風が自由だから、髪を染めてもピアスを開けてもいいのだけど、ショータは髪をシルバーアッシュにして両耳にいくつもピアスを開けている。
外見もそうだけど、中身も派手で色々遊んでるって話は噂で聞いたことはあるけど、私はそこまでよく知らない。
「べ、別に何でもないよ」
なるべく瑞貴が言いそうなことを答えようと思うが、なかなか難しい。
「ふーん、いつもスン、ってしてんのに真っ赤じゃん。珍しいなー。さっき彼女と話してたけど、とうとうやれたの?」
「やっ、やれ!?」
何を言い出すんだこいつは。
「何言っちゃってんの?そんなことするわけないでしょ!」
しまった。動揺のあまりいつもの口調で返してしまった。瑞貴っぽくないどころか完全に女だこれ。
しかしショータは違和感に気付かなかったらしい。助かった。
その代わり、拍子抜けしたみたいな顔で爆弾をぶっ込んできた。
「なんだ、やっぱりまだ出来てないの?やりたいのになかなかやれなくて、かわいそーだな」
「は?やりたいとか、みず……俺がそんなこと思うわけないし」
「何言ってんだよ。いつも俺にやりたいのにやれないーって愚痴ってんの、どこの誰だよ」
「……は?」
「彼女と早くやりたいのにやれないって嘆いてるじゃん、いつも」
……まさか。そんな馬鹿な。
呆然としている間に担任が入ってきてホームルームが始まったので、話はそこで終わりになった。
え?うそ?瑞貴、私が知らないところで友達とそんな話してたの?
あんな淡白そうな顔して、実は頭の中えっちなことでいっぱいだったの?
いつも触れるだけのキスだったけど、ほんとはもっと先に進みたかった?
そんなわけない、きっとショータがふざけてるんだ、と入れ替わる前の私なら思っただろう。
けど、朝の瑞貴のギンギンに硬くなっていたものと、熱っぽい声でオナニー指導する瑞貴を思い出すと、ショータの言ってたことはやっぱり本当なのかもと思わされた。
そんな……
♢♢♢
休憩時間になり、私は瑞貴と人の少ない階段に来て話をしていた。
けど、瑞貴も何も見当が付かないようで、結局なんで私たちが入れ替わってしまったのかは分からないままだ。
「仕方ないね、とりあえず原因を探しながら普段通りに過ごそう。今日、学校終わったら俺の家に寄るよ。色々一緒に考えよう」
「うん、分かった……」
どうしよう、ショータが言ったことをホントなの?って聞きたいけど、なんか聞くのが怖いような。
ためらっていると、瑞貴がにやりと悪い顔をして言った。
「ねえ、朝の、どうだった?」
「どっ、どうって!?」
「気持ち良かったでしょ?」
「う……」
入れ替わってから、瑞貴がちょっと……瑞貴じゃないようなことばかり言ってくる。それも何だか、悪戯っぽく楽しそうに。
えっちなことをいっぱい口にして、私の反応を見て愉しんでる。こんな瑞貴、見たことない。
私の顔で悪戯な表情を浮かべている瑞貴は、小悪魔みたいだった。
「ねえ凛ちゃん。今俺たち大変なことになってるけど、俺はちょっと嬉しいんだ」
急に瑞貴がそんなことを言い出す。
「えっ?なんで?」
驚いて聞き返すと、
「だって俺のこと、もっとたくさん凛ちゃんに知ってもらえるでしょ。俺は凛ちゃんには隠したいことなんて何もないから。スマホだって自由に見ていいし。俺の体だって色々見たり触ったりしていいんだよ」
「体、って」
恥ずかしくて顔が熱い。いや、顔だけじゃない……
「ほら、ここ。また熱くなって来たんじゃない?」
すっと瑞貴が私の股間に触れてきた。さっきからそこが熱を持って立ち上がり始めていたのを、本来の体の持ち主は敏感に察したみたいだ。
「あっ、ダメ!」
「俺の体だよ、いいでしょ」
「確かにそうなんだけど、でも」
「凛ちゃんも気持ちいいのは好きでしょ」
瑞貴がそこをズボンの上からきゅ、っと掴んだり、ゆるゆると擦るので私はまた「んんっ」と声を上げてしまう。
あんっダメぇ!
さすが持ち主だけあって、気持ちいいポイントをよく知っていて的確に突いてくるので、私は腰をよじって逃れようとしたけど、つい、気持ち良くてされるがままになってしまった。
「ふふっ、自分が気持ちよさそうな顔を外から見るのって、変な感じだね」
「あっ、ダメだよ、こんなところ、誰か来たらイヤだっ」
「んー。じゃあ続きは帰ってからだね。凛ちゃん、しばらく関係ないこと色々考えてて。そしたらそれ収まるから。俺は先に教室に帰ってるね」
瑞貴がさっさと行ったあとも、私は昂った体を鎮めるのに苦労した。
まったく、朝に出したじゃないか。なんだってこんなにすぐ勃つんだ。
男の子ってみんなこんななんだろうか?それとも瑞貴がエッチなの?
とにかく、私は股間の荒ぶるブツを鎮めるのに四苦八苦し、男の子って大変だと思うのだった。
♢♢♢
何とか、一日が終わった。瑞貴の友達との会話は、気を遣ったからめちゃくちゃ疲れた。見ていると瑞貴はそつなく『私』をこなしていた。
さすが普段から気遣いの達人なだけある。
終礼が終わると、私はすぐに瑞貴の手を引っ張って教室を出た。
「凛ちゃん、積極的だね。どうしたの?」
「いや、もう早く家に行きたくて」
精神的にめちゃくちゃ疲れたんだもん。早く気を使わないでいられる場所で落ち着きたい。と思ってそう言ったのだが、瑞貴は違う方向に捉えていた。
「へえ、そんなに朝の続きしたいんだ。休憩時間に続きは帰ってからって言ったもんね」
「えっ!?いや、違うよ!そうじゃなくて、疲れたから早く家で休みたくて」
「ふふ。分かったよ。そういうことにしておこうね」
「いや、ほんとに違うって」
瑞貴は分かってるって、とにまにましている。ああもう。
……でもほんのちょっと、続きを期待していないわけではない自分がいる。
私ってこんなえっちだったのかな。ううん、きっと瑞貴の体がえっち過ぎるだけだ!
瑞貴の家に着くと、家には誰もいなかった。まだこの時間はおじさんおばさんも仕事に行ってるしね。瑞貴は一人っ子だし。
「ちょっとお茶持ってくるから、部屋で待ってて」
「うん」
瑞貴に言われて、二階の部屋に入ってカバンを置き、ベッドに転がる。
ああー1日でこんなに疲れるなんて、あとどれくらいで戻れるんだろう。もし戻れなかったら、私は瑞貴として生きて行かなきゃいけないのか。
はぁー。
ガチャとドアが開いて、ペットボトルのお茶と2つ重ねたコップを持って瑞貴が入って来た。
「疲れた?」って聞かれたので、頷く。
「瑞貴っぽく振舞おうとするの大変だった……」
「そんな気を使わなくても大丈夫なのに」
「そういうわけにはいかないでしょ」
「そうかな」
瑞貴が差し出してくれたお茶を飲む。
「まあ気にしなくても、そんなに長く入れ替わってるってことはないと思うよ。だから心配しないで」
妙に落ち着いた顔で言うので、ガバっと起き上がった。
「え、元に戻れる方法、なんか心当たりあるの?」
「……ううん。ただの勘」
「えー、なんだあー」
空になったコップを床に置くと、また私はベッドに転がった。
すると、瑞貴もお茶のコップを床に置き、おもむろにベッドに上がって来る。
「え、なに?」
「ん?続き、するんでしょ」
そう言って、私の隣に座る。
え?ちょ、ちょっと。
慌てている間に、瑞貴の手が手慣れた様子でズボンとパンツを一気にずらした。
また股間のものが白日の下に晒される。今は通常状態らしく、大人しく下を向いている。
「ひえーーーっ!!」
慌ててそこを両手で隠そうとしたけど、瑞貴の手でどかされた。
「隠さなくても俺の体なんだし、俺は凛ちゃんに見られても恥ずかしくないよ。それに男って、毎日何度か出さないと、しょっちゅう勃って困るんだよ。ね、処理させて?凛ちゃんも学校で大変だったでしょ?」
「……」
私は心当たりがあって黙り込む。
そう、学校ではホントに大変だった。何もしてないし、えっちなことも何も考えてないのに、急にいきなり勃起して股間が目立つことがしばしばあって、そのたびに私は前を教科書で押さえたり、なんとかみんなにバレないよう、目立たないようにするのに必死だったのだ。
また明日もそうなるのは嫌だ。ここは持ち主の言う通りにした方がいいだろう。間違いなく私よりも瑞貴はこの体について詳しいのだ。
それに、気持ちいいし……とちらっと考えてしまう。
「分かった、お願いします……」
ためらいながらもそう言うと、瑞貴はにっこり笑った。
「凛ちゃんは何もしなくていいよ。俺が全部やるから」
「うん」
瑞貴が私の股間のものに手を伸ばし、緩く上下に扱き始めると、あっという間に硬く芯を持って立ち上がって来る。
「んっ」
「おっきくなって来たね」
楽しそうな瑞貴。
「気持ちいい?」
「うっ、うん」
じわじわと快感が湧き上がって来るのと、瑞貴がじっとこっちを見ながらするのが恥ずかしいやら、自分の顔を見るのが微妙やらで、私は目を閉じた。
それにしても知らなかった。男の子の快感ってこんななんだ。
私も自分ですることはあるし、それもすごく気持ちいい。でも女の子の体とはやっぱり違って、快感が高まってくると、何か爆発させたいような、気持ち良さの高みに一気に駆け上りたいような衝動がすごい。
「ねえ凛ちゃん、ここ、すごく気持ちいいんだ。覚えておいてよ。体が元に戻ったら凛ちゃんに、こうして欲しいなあ」
瑞貴がイヤらしいねっとりした声でそんなことを言いながら、おちんちんの裏側の先端のくびれたところを擦ると、快感が走り抜けた。
「あっ!」
執拗にそこをくりゅくりゅするので、私の腰はビクビク跳ねてしまい、
「ね?気持ちいいでしょ?今度してね?約束だよ」
などと言われても、こくこく頷くしかできない。
薄目を開けて見ると、私の反応に満足そうな笑みを浮かべていた瑞貴は、おもむろに
「……ちょっと舐めてみるね」
「えっ!?」
言うなり、さっきの気持ちいいところをペロリと舐めて来た。
「あっああっ!」
電流みたいに気持ち良さが走って、お尻にきゅっと力が入ってしまった。
「ああ、凛ちゃんの舌が俺のちんちん舐めてるって思うと興奮するなあ」
気持ち良さに頭がぼーっとなっているところに、瑞貴がなんだか倒錯めいたことを呟いていた。
瑞貴の舌はどんどん大胆になってきて、先っぽのところの穴をくりくりしたり、下から上に舐め上げたりして、私はびくびくと腰を跳ねさせながら喘ぐしかなかった。
「はっ、はあはあっ、ああっ」
「ふふ、これで凛ちゃん、おちんちんのどこがどう気持ちいいのかよく分かったよね。ああ、元に戻って凛ちゃんにこうしてもらう時が楽しみだなあ」
快感に蕩けた頭でも、さすがに気付く。もう瑞貴が普段の淡白そうな仮面を脱ぎ捨てて、性的な欲望を全開にしているのが。
「や、やだっ、瑞貴のえっち……!いつも、淡白な顔してたのにっ。やっぱりほんとはこんなえっちなことばっかり考えてたんだ……んっ!」
途切れ途切れ非難すると、瑞貴はふっと笑った。
「そうだよ。ごめんね。ほんとは凛ちゃんと、こんなことしたくてしたくてたまらなかったよ。でも俺、偉いでしょ?凛ちゃんが怖がるからちゃんと、ものすごく我慢してたんだから」
完全に開き直っていた。
「そろそろイこうね」
瑞貴はそう言うと、いきなりおちんちんをぱくりと咥え、唇と舌で扱くように頭を動かして来た。
「あああっ!」
たまらず声をあげてしまう。
なにこれ。あったかくて包まれてて、ものすごく気持ちいい。
あっ、また朝の時みたいに、何かがせり上がって来る感じがする。
「あっ、またなんか、上がって来るっ……」
絞り出すように言うと、瑞貴はおちんちんを咥えたまま「いいよ、このまま出して」と答えた。
それを聞くと同時に快感が弾けて、びくびくっと震えながらびゅ、びゅっと精液が飛び出していくのが分かった。
「あっ、はあ、はあはあ……」
快感の波が引いていくのを、私はがくがくと震える体で味わっていた。
「うーん、やっぱりマズいね。さすがに自分のは飲めないや」
気が付くと、顔をしかめた瑞貴が側にあったティッシュを取って、口の中のものを出していた。
「うう、瑞貴のえっち……」
頭がぐるぐるして思わずそう呟くと、瑞貴は心外だなとでも言いたそうな顔で言った。
「でも凛ちゃん、俺の体になってみて分かったでしょ?いつも俺はこんなのを我慢してたんだよ。そんなの、凛ちゃんをすごく大事に思ってなかったら、絶対無理って分かるでしょ」
そう言われて、確かにそうかもと思った。
こんなに、何かあればすぐ股間が反応してしまうほどだったのに、私には全然そんなそぶりも見せずに、キスだって軽く触れるだけのキス。
二人きりで、しようと思えばそれ以上のことだっていくらでも出来たのに、本当に私のこと大事にしてくれてたんだ……
やっぱり、好き。すごく好き。
私は胸がきゅうんとした。
「……うん、確かにそうだよね。私、瑞貴に大事にしてもらえてる。ありがとう嬉しいよ」
「凛ちゃん……好き。あーすごくキスしたいけど、さすがに自分の顔にキスするのは微妙……」
瑞貴が悔しそうな顔で言うので、私も笑ってしまった。
「じゃあ、ぎゅってしよ?」
私がそう言って腕を広げると、瑞貴が笑って胸の中に飛び込んできた。
自分の体を抱き締めるなんて、こんな体験初めてだ。
瑞貴の体で抱き締める私の体は、小さくて、細くて、とても頼りなげに感じた。
「……凛ちゃん」
瑞貴が熱く潤んだ瞳で私を見上げてくる。さっき瑞貴が言ったみたいに自分の顔だと微妙でキスしにくいけど、中身が瑞貴だと思えば、愛おしい思いが湧いてきた。
私は目を閉じると、そっと瑞貴にキスした。
「んっ」
瑞貴は少しびっくりしたみたいだったけど、そのまま受け入れてくれていた。
いつものような軽い、唇を合わせるだけのキス。
何度かしていると、私の股間のものがまた、熱を持って立ち上がってくるのを感じて愕然とする。
え!?もう、ちょっとー!さっき出したばっかりじゃん!?
瑞貴はいつもこんな風になってたのか。それは確かに我慢するの大変だっただろうな。
「またこんなになっちゃった……ほんとに今まで私のために我慢してくれてたんだね。ありがとう。嬉しい」
そう言うと、瑞貴は嬉しそうに笑った。
「……俺は凛ちゃんが大好きで大事だから、凛ちゃんがイヤがることは絶対しないよ。でも……」
ちょっと言い淀んで、
「元に戻ったら、俺、凛ちゃんとキスの先も色々したい……」
上目遣いに、熱っぽい目で見つめてくる。
私は少し息を飲んだけど、
「うん、いいよ。元に戻ったら、……しよ」
にこっと笑って言った。
その瞬間、私の視界がブレた。
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