序章

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序章

「ーー新入生代表、ありがとうございました。続いて役員の紹介に移ります」 その言葉に一段と騒がしくなる新入生達。新入生の視線は次々に紹介されていく生徒に向けられているが、隅にいるある生徒に目が止まる。美しい金色の髪に宝石の様な輝かんばかりの青の目を持つ生徒だ。ステージ上で新入生達を微笑みながら見るその姿にポっと頬が赤く染る。 「ーー次に保険委員長、大江あやか」 『はい』 決して大きくない。しかし遠くまで響く凛とした少し高い声。 『ご紹介に預かりました。私は保健委員長の大江あやか、よ。あやちゃん先輩と呼んでね。保健室には怪我した子や具合の悪い子しか来ちゃダメよ?わるーい人に食べられちゃうから……ね』 ゆっくりとした動作で口の前に人差し指を立ててニヤリと笑った。その姿を見てますます頬を赤く染めた新入生達を見てあやかは思った。 『どうしてこうなった?』 このような事になったのは深い理由がある。
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