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【とあるスイーツ食べ放題店の厨房にて】
「て、店長。もうすぐこちらに『銀白』が来ると、他店から連絡が。どうしましょう⁉」
狼狽する店員に問い詰められた男は、意味がわからないといった様子で返事をする。
「なんだその『銀白』ってのは。他店から連絡? 食い逃げかなにかしたのか?」
店員はやがて訪れる危機を回避しようと、必死に説明の仕方を黙考し、口を開いた。
「いえ。その……前の店長が辞める原因になったお客様です。常連さんなのですが、当店含め近隣チェーン店で毎回いちごアイスを在庫がなくなるまで食べつくします」
そんなバカな話があるかと、男は笑った。
「いちごアイスがなくなるだけで、なにをそんなに焦るんだ。落ち着きなさい」
店員は真っ青になりながら、わなわなと震えて答える。
「いちごアイスがなくなると、他のアイスの在庫もつきるまで全部食べるのです!」
男は店員の冗談に再び笑う。
「そんなお客様が居る訳ないだろう」
厨房に響く大声が聞こえる。
「いちごアイスがない? そりゃま、他のアイスで我慢するしかないねぇ」
銀髪で色白の見た目をした、不敵な笑みを浮かべる女を見て、二人はアイスの在庫確保を諦めた。
『さぁて、アイスの後はポップコーンかねぇ。あっはっは』 - 女神
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