【とあるスイーツ食べ放題店の厨房にて】

1/1
前へ
/8ページ
次へ

【とあるスイーツ食べ放題店の厨房にて】

「て、店長。もうすぐこちらに『銀白』が来ると、他店から連絡が。どうしましょう⁉」  狼狽する店員に問い詰められた男は、意味がわからないといった様子で返事をする。 「なんだその『銀白』ってのは。他店から連絡? 食い逃げかなにかしたのか?」  店員はやがて訪れる危機を回避しようと、必死に説明の仕方を黙考し、口を開いた。 「いえ。その……前の店長が辞める原因になったお客様です。常連さんなのですが、当店含め近隣チェーン店で毎回いちごアイスを在庫がなくなるまで食べつくします」  そんなバカな話があるかと、男は笑った。 「いちごアイスがなくなるだけで、なにをそんなに焦るんだ。落ち着きなさい」  店員は真っ青になりながら、わなわなと震えて答える。 「いちごアイスがなくなると、他のアイスの在庫もつきるまで全部食べるのです!」  男は店員の冗談に再び笑う。 「そんなお客様が居る訳ないだろう」  厨房に響く大声が聞こえる。 「いちごアイスがない? そりゃま、他のアイスで我慢するしかないねぇ」  銀髪で色白の見た目をした、不敵な笑みを浮かべる女を見て、二人はアイスの在庫確保を諦めた。 『さぁて、アイスの後はポップコーンかねぇ。あっはっは』 - 女神 元のふぃるむへ飛ぶ場合↓ https://estar.jp/novels/26029403
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加