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白い花をパパの胸の上において、私は家を出た。 パパの手紙を握りしめて。 ――アディラ、お前はこれから太陽の方向に進むんだ。―― 手紙はそういう書き出しだった。 そして、パパは教えてくれた。 パパを蝕んでいたのは、人間がつくり出した毒だということを。 そして、地球の上の大部分がこの毒で滅びてしまっていることを。 私は、研究者だったパパが毒を避けていちばん地球上できれいな場所に逃した存在なのだと。 パパと多くの研究者仲間が、できる限りで子どもたちを逃したのだと。 可能性を求めて、地球のあちこちに。
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