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パパはじっと私の目をみた。 「アディラ、宇宙を想像できるか?」 私は答えた。 「うん、ものすごく遠くものすごく大きなもの」 「その遠さと大きさを考えられるか?」 「うん」 すぐに私は答えた。パパはうなずいた。 「そうか、よかった」 「なんで?」 「パパくらいの年になると、もう宇宙の大きさを想像できなくなるんだよ」 「うそ」 私は驚く。 「悲しいことに本当だ」 そして私の肩に手を置いた。
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