走り出す！

４

何でもパパに教わったけれど、今は私は独りでやらなければならない。
パパは病気になってしまった。家の中で、一日横になっている。
たまに気分がよいときは起きて、私が帰るまでに夕飯の支度をしていてくれたりするけれど、最近は少なくなった。

でも、パパは諦めていない。
よくなったら、山向こうの滝にいってそれから沢で魚を釣ろうと笑っている。
冬の間は凍ってしまって無理だから、それまでは寝ているよ、と笑う。

また、以前はパパしか読まなかった難しい本を納屋の方から出してきて、私に読むように勧めてくれた。
わからないことは何でも聞くように、と言って。それは命令といってよい口調だった。