青春のカタチ

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一瞬「ん?」と眉をひそめた浩介は、すぐさまそのまん丸な瞳をパッチリと開かせこちらへ向き直り、人差し指を立てた。 「あの運動会でよく流れるやつか?たーんたらたらたんたんたらたら…っていう曲?」 「……うん。多分それ」 こいつが音痴なことを今の今まで忘れていた俺は、ポケットからスマホを取り出し目当ての曲を流した。その瞬間、自身の小学生の頃の運動会の記憶が鮮明に蘇る。 「あーこれこれ!懐かしいなぁ!よくリレーの時とかに使われてたよなぁ…って、これがなに?」 額に汗を光らせた浩介は、再び眉をひそめ唇を尖らせた。  先ほどよりもじわじわと気温は上がってきているように感じる。そろそろこの場も離れないと熱中症になりそうだ。 「この前ネットの記事で見たんだけどさ、この曲を聞くとどんな人でも、どんな状況でも走り出しちゃうらしいぜ。気持ちが急ぐんだって」
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