第3章 溢れた想い

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第3章 溢れた想い

翌朝、目覚めると彼はいつも通り隣には居らず冷えきった彼の居ない広いリビングに、まるで取り残されたような虚無感だけがシンシンと広がり心に影を落とした。 「居なくて·····当たり前の人·····なのにね」 悲しい笑いが口元から溢れると同時に、ポタリと瞳から溢れた落ちた涙の雫は、拭って拭っても止めどなく流れ続けた。 彼の香りの残る部屋――――大好きな彼の香りに身を包み····大きく息を吸い彼の去った部屋を見回す。寂しさが急激に押し寄せ心が闇に飲み込まれそうになった。
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