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けして愛してはならない相手。
『彼を愛してる』ことが露見した瞬間、私達の関係は終わる。
ぎゅっと心臓が何かの強い力で鷲掴みにされたような痛みが走る。
「――――好き」
口にした2文字は意外と軽くて
「――――愛してる」
この重厚感のある心に響く痛い4文字が私の心を奪い見えない力で強く強く縛り上げる。
「切られる前に自分で決着を付けなきゃね」
昨晩の情事事の跡が残る躰には、まだ耀の甘い香りが染み付き私を離さない。
「男を忘れる手っ取り早い方法は·····」
私の心に住み着いた悪い男。
「違う男の所有物になること·····」
どんなに愛しても愛しても足りない彼の温もり·····叶わぬ愛に身も心も焼かれ死に際に咲く1輪の花のよう可憐で美しく鮮やかに散りたいと願ってしまった。
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