KARAKURI

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KARAKURI

今現代。人類、いや子供の娯楽といえば、『KARAKURI』である。様々な種類のパーツをつなぎ合わせ、元々のKARAKURIに取り付ける、よくある食玩のようなゲームである。そうして出来上がるKARAKURIに人が乗り、スタジアムなどで戦うのだ。KARAKURIには、人を引き付ける妙な魅力がある。それゆえ、悪人の目につき、悪用されてしまうこともしばしばである。そんなKARAKURIの魅力にひかれた少年が、ここにも一人いた。 「おばあちゃん! ちょっとKARAKURI店に行ってくる! 」 この少年、名を薔薇 鷲(ソウビ シュウ )という。KARAKURIの虜になった少年少女の一人である。 「お金はあるのかい? 」 「この前のお小遣いが余ってる! 」 鷲は、父から与えられた自身のKARAKURIである『O-M AMARYU』を扱う。子供が使うにしては珍しいO-M(オリジナルモデル)であり、パワーとスピードに長けている。 「こんにちわー」 鷲が来たのは、都会のKARAKURI店と比べると、少し小汚ない、工場のような見た目をしているKARAKURI店である。 「お、鷲か。らっしゃい。また潤滑剤きらしたのか? 」 「いや、今日はAMARYUの塗装。この前友達とバトルしてたら剥げちゃってさ。頼めるかな? 」 鷲がそういうと、KARAKURI店の店主は、ハチマキを揺らしてニカッと笑った。 「おうよ! O-Mの塗装をもやってのける! このフクロウ様に任せとけって! じゃあAMARYUを運んじまいな! 」 「りょーかい!! 」 鷲は急いで家に戻り、倉庫に眠っているAMARYUに搭乗した。体の動きとリンクさせるための機構を手足に取り付けると、AMARYUは目を光らせた。 「AMARYU! 今日は塗装だ! 張り切っていこう!! 」 薄暗い倉庫から飛び出したのは、黄色を基調とし、所々に青色の装飾があるドラゴンの形をしたKARAKURI、AMARYUである。 「フクロウさん、来たよー」 「おう、じゃあ工場ん中に突っ込め。どこが剥げたか降りてきて教えてくれ」 「うん! 」 フクロウの天才的な塗装のお陰で、AMARYUはかつての輝きを取り戻した。鷲の目には、AMARYUが少し誇らしくしているように見えた。 「ありがとうフクロウさん! 」 「おうよ! またいつでもこい! 」 二人がそんな会話をしている中、遠くの山から爆発音が聞こえた。 「今の音は、SUKARUか? 」 「胸騒ぎがする......僕見てくる!! 」 「おい鷲! やめとけ! SUKARUは悪党どもの御用達だ! むやみに近寄らない方がいい! 」 既にリンクの機構を取り付けた鷲に、フクロウは言った。が、鷲は目の前の異変を放っておけず、フクロウの言葉には耳を貸さなかった。準備ができると、鷲はAMARYUと共に、爆発音が聞こえた山の方に走っていった。
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