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土鍋3号はピタリと止まると胸を張った。
「おじいさんは車輪に巻きつきながら亡くなりましたが、大丈夫です。その辺にあった復活草を食べていたので」
「いや、待て。復活草を食べていたら、轢いてもいいという狂った倫理観はなんだ」
「なんでしょうね。新しい時代の世界観?」
「そんな時代ないわ! おまえも刑務所に行ってこい」
土鍋2号と同じく刑務所に行く途中で土鍋3号も涙を流した。
「やれやれ、初日からこんなことになるとは。もう帰るぞ、土鍋1号」
それまでずっと黙っていた土鍋1号が口を開いた。
「2号も3号も罠に嵌って刑務所に行った。いい気味だ」
「えっ、何? どういうこと?」
「おじいさんとおばあさんがいる場所に復活草を置いて、ロボットが滑りやすくなる油を撒いたことで、誰も死なずに刑務所送りにできた。全ては計画通りだ。ヒヒヒ」
「心の声、全部漏れてるな。いや、復活草があっても計画殺人じゃん。おまえも刑務所行ってこい!」
刑務所に連れられていく時、土鍋1号は涙を流すことなく、聞こえるように舌打ちした。
「おまえが一番感じ悪いわ!」
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