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俺が土鍋2号をじっと見つめると、少しずつではあるが、土鍋2号が目を逸らしていって、しばらくすると後ろの空き地を眺めていた。
「おい、土鍋2号、なんで目を逸らす?」
「いやはや、この空き地を見ていると、昔はよく遊んだものだなあと懐かしくて」
「ロボットができたのは最近だ。昔とかないし、懐かしむ機能とかついてない!」
土鍋2号の背中をポンと叩く。
「それで、おばあさんが亡くなっていたのは本当なのか? 意識がなかったのか?」
「意識は一瞬なくなりましたね。私の四輪駆動に轢かれてる時に」
俺の背筋が凍り、血の気が引いた。
「えっ、おまえ轢いたの?」
「はい。轢いてしまいましたね。てへへ」
「てへへじゃないよ。怖い奴だな。立派な人殺しじゃないか」
「立派ですかね。ありがとうございます」
「そういう意味じゃないよ!」
背中をさっきよりより激しく叩く。
「おまえ、罪悪感とかないの?」
「おばあさん、もう100歳超えていましたよ」
「そっかー、100歳超えていたら、寿命……とはならないよ。おまえが寿命縮めてんじゃん!」
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