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土鍋2号が肝心なことを思い出したようで笑顔になった。
「あっ、でも、大丈夫ですよ」
俺は訝るように土鍋2号に詰め寄る。
「大丈夫って、何が?」
土鍋2号が大きく息を吸い込んで強く言葉を放った。
「おばあさん、死ぬ間際にその辺にある復活草を食べて、復活しています。つまり、おばあさんは生きているんです!」
「おばあさん生き返ったのか、じゃあ、これで一件落着……とはならないよ。おばあさんを轢いて死なせたことは紛れもない事実だ!」
土鍋2号の背中を叩くが、全く反省の色が見えなかった。
「土鍋2号、非常に残念だが、刑務所に服役してもらう」
俺が警察を呼んで刑務所に連れられる時に、やっと土鍋2号は罪の意識を感じたのか涙を流していた。
今日のパトロールはこれで終了と思いながら、何か忘れていると首を傾げた。
遠くの方で俺を呼ぶ声がした、土鍋3号がそこにいた。
「おーい、遅れて申し訳ありません。異常ありません」
「そこで止まれ、土鍋3号。おじいさんが車輪に巻き付いている!」
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