復活の魔王は誰にも求められていない

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「魔王が復活したぞー!!」 世界で1番の国家、アルフレッド王国で1人の男が叫んでいた。 剣を携え、国王の間に転がり込み何度も叫ぶ。 魔王が復活した、その言葉に全員がため息を吐いた。 「どうしてあやつは何度も何度も復活するんじゃ……」 国王は頭を抱えてうな垂れる中、剣を持った男は勇ましく歩み寄る。 「また俺が魔王を封印すれば……」 「いや、魔王を封印した勇者のお主と言えど50年の(よわい)には勝てぬだろう」 かつて魔王を封印した元勇者の男、だがそれももう40年程前の事、流石にもう1度魔王と激闘を繰り返す気力は残っていなかった。 元勇者には子供もおらず、魔王に対抗する手段すらも無い。 「こうなったら、アレを使うしか……」 「まさか、アレを……!?そんな事をしたら国王様は!!」 「民を守る為には、こうするしか無いのだ」 国王はいそいそと自室へ戻り、あるものを取り出して再び戻ってくる。 握られたガラス瓶には、普通とは思えない蛍光色の液体が一口分。 国王は手が震えながらも、その液体を一気に飲み干した。
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