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キャンちゃんは、猫である。いま、私のお腹の上で寝ている。私が身を預けているのは、ハグモッチという大きなクッションなのだが、キャンちゃんは、私もハグモッチも、大好きだ。ハグモッチは、U字型のクッションで、輪っかのところに頭を乗せると、両側から包まれる感じで気持ちいい。キャンちゃんは、ハグモッチ〜私のお腹〜ハグモッチ、と、横に横断するようにビヨーンと伸びている。つまり、私とキャンちゃんは、上から見たら、十字架みたいになってるのだ。なんだ、これは。天国かな。
たまに、あくびしたり、耳や鼻が動く。服の上から伝わる体温が高い。ハグモッチを使いすぎて、実は、私は左肩を痛めている。しかし、痛みを我慢できるくらい、キャンちゃんが可愛い。猫も夢を見るのかな。キャンちゃんは、寝ながら、走ろうとする。手足がぱたたっとなる。それから、ちゃむちゃむ言ったりする。まるで、漬物石が乗っかっているかのようにズッシリくる。だが、重みも気にならなくなるくらい、キャンちゃんが愛しい。
うとうととして、ふっと目を開けた時、キャンちゃんがそばにいてくれると、とても嬉しい。おもむろに立ち上がって、伸びをして、すいーっといなくなったりもするけど、基本的にずっとそばにいてくれる。家に2人きりの時は、夏でも冬でも、大体、身を寄せてきてくれて、ぴったりしている。
キャンちゃんは、おしゃべりだ。仮に「ドミニク。」と呼びかけても、お返事してくれる。ちょっと天然かもしれない。この前は、ジャンプしようとして、滑って転んでいた。しかも、2回連続、同じ場所でだ。転んでからは、床を敵とみなして、その後の何分間かは、床に向かって攻撃し続けていた。シュバッ!シュババッ!と、パンチやキックを繰り出して、ひとり、闘っていた。
キャンちゃんは、テレビを観る。でも、動物の鳴き声には、ほぼ反応しない。そこがとても不思議だ。それよりも、私の言葉の方が、遥かに理解できているみたいな顔つきなのだ。話しかけると、頭をすりすり押しつけてくる。こんな甘々モードの時は、「大丈夫だよ。大好きだよ。」って、言ってくれてる…と思っていたら、全然違った。試しに、ニャントークで翻訳したら、「私の前から消えて!」と絶叫していた。えええ…!?
キャンちゃんは、時間に正確で、ごはんの1時間前から大声で催促し出す。もし、ここでニャントークを使ったら、「メシだ!メシをヨコセ!」とか、「エモノはドコダ!」とかになりそうだ。「構って〜。」などの、可愛い翻訳は、一生されない気がしている。
ニャントークは、現在も、「やっつけてやる!」、「お前なんかこわくない!」など、心理的にショッキングな翻訳をし続けている。絶好調である。ゴロゴロ言ってる時でさえ、「リラックスさせて!」と、ちょっとイラつき気味の翻訳がされる。脳内で、都合よく翻訳した方が、ハラハラしないかもしれない。
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