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さて、どこから書こうか。まず、俺の仕事について書いたほうがいいだろう。
俺は田舎にあるスーパーの鮮魚部門で刺身を担当している。正社員ではなく、パートだ。一時的にここで働いて、どこかで正社員になろうと思っていたが、ろくに面接にも行けず、ずるずる5年近く働いてしまっている。
ついでに言うと、身体性別Lady、精神性別中性のエックスジェンダーだ。
27歳にして、給料は10万ちょっと。みっともないとは思っている。
面接を受けようと、何度か応募したことがある。だが、電話恐怖症で電話に出ることができず、結局機会を自分で潰してしまう。
気づいたら27歳になっていたというわけだ。だが、こんなものを書くようなきっかけがあったので、そのことについて書いていこうと思う。
記憶が合っていたら、21歳あたりからここ、エブリスタで執筆活動を再開した。なんせ軽度の記憶障害なので、正確さは求めないでほしい。
再開したばかりの頃は、詩やら小説だけを書いていた。そもそも、それ以外のものが書けなかったし、どういったものがあるのかすら考えたことがなかった。
活動再開して1年経つかどうかといった頃だろうか? 10年近く付き合いのある人物から、自作小説のボイスドラマ化を持ちかけられた。
その人物、M氏と書こう。M氏に台本の書き方を教わり、ボイスドラマの台本を書くようになった。
1度書いた小説を台本にしていくのは案外大変だった。小説なら、どのキャラクターがどんなふうに思ったのか、どんな動きをしたか書くことができる。
だが、ボイスドラマはそうはいかない。動きはセリフの端や効果音でどうにかしなければならない。セリフに盛り込みすぎては、説明口調になってしまうし、効果音だけだとイマイチピンとこないかもしれない。
それでもやりがいがあったし、自分の世界が声や音で立体になるのは面白かった。
ちなみにその作品は、巡り喫茶はぐるまというシリーズ物で、ボイスドラマは3話まである。あとは番外編というか、ちょっとしたものがふたつほど。こちらはサプライズで用意していただいたので、台本うんぬんは関与していない。
YouTubeで「巡り喫茶はぐるま」と検索したら出てくるはずなので、よかったら聴いてほしい。
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