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「これは人間の何なんですか? 優しさの光とは違う……熱くてすごく眩しい」
「こいつはね『自信』ですよ、お客さんが自分の優しさに自信が持てるようにこいつを送りたいと思いやして」
「自信……ですか?」
「ええ、お客さんにはこいつが必要だ。自分の中の優しさを、自分を信じるためのこいつがね。でなけりゃあせっかくの優しさが可哀想でさあ」
そう言って猫は祥子に手を出すように言い、恐る恐る手を出した彼女の手に赤い星を置いた。
熱い、コーヒーを入れたようカップのような熱さがその星にはある。それを胸に当てるように言われた彼女は、それを胸に押し当てた
じんわりと、心地よい熱が染み入って来る胸から広がりそれはやがて体の端から端までを温めていく。
体が温まり切った彼女は、ゆっくりと胸から手を離す。
その顔は僅かにだが赤らみ、夢から覚めようなとろりとした表情を猫に見せた。
「あったかい……これってもっと貰う事はできないんですか?」
「気持ちは分かりますがね、自身ってのは大事なもんだが同時に毒でもある。ほどよく適度に、が一番でさあ」
その言葉に少し恥ずかしそうに笑う祥子を見て猫は笑う、彼女もまたそれにつられて笑う事ができた。
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