猫に珈琲の味は分からない

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「……猫?」 「はい、あっしは猫ですよ。どうされたんですかお客さん、そんな珍妙なものを見たような顔をして」 「猫が……喋ってる」 「そりゃ喋りますよ、生きてますからね」 「私……おかしくなったのかな」 「おかしくなったというよりも、ずいぶんお疲れのようですね。どうです、せっかく来ていただいたんだコーヒーの一杯でも」  猫は髭をピクピク動かしながら、ニコリと笑った。
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