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兄はあさっての方を見ながら、引きつった顔で答えた。
「…あのさ。実は俺、母さんに『雨が降ってきたら洗濯物取り込んどいて』って頼まれてたんだよね…」
「えっ」
俺が慌てて兄の膝から起き上がってベランダの方を見ると、無残にも雨にさらされてしまっている洗濯物の姿が見えた。
兄はあははとわざとらしく笑いながら言った。
「という訳で耳かきの続きは、あれを全部取り込んだ後ということで…」
「…馬鹿兄貴!」
俺と兄は慌てて洗濯物を取り込んだが時すでに遅しであり、ちょうど帰ってきた母にしこたま怒られる羽目になった。
ちなみに耳かきの続きは、ちゃんと後日にしてもらった。
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