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◆2発見
◆2発見
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不動産屋さんはまずいと思ったのか、僕が破壊したと言うのに新しいカランを昨日のうちに届けてくれた。それ故に、もう取り付けが終わり、無事に水が出るようになったのは喜ばしい事だ。
理不尽、だったかもしれない。だが、何となくでも良くない状態のカランで風呂には入りたくなかったし、何よりも水道管なのかカランの中なのか、スライムが詰まっていたのは紛れもない事実。それがなければ、僕がカランを破壊する事などなかった。だからこれは『不具合』とする。
昨日のスライムはとりあえずそこそこの大きさの飼育ケースに入れてみた。淡い水色の物体が四角いケースに収まっている。ケースを床に置き、蓋を開けて指を突っ込み触れてみれば、ぷにん、と何とも言えない弾力がそこにはあった。
夕方、全ての搬入が終わり少しづつではあるが片付いた部屋。もともと荷物が多くなかったので助かった。腹が空き、でも何かを作れる状態ではない。仕方なく、財布と携帯を手につなぎ姿のまま近くのコンビニへと買い物へ行った。
お弁当ほど量は要らない。おにぎりを2個と缶アルコールを1本。それと小袋のナッツをひとつ。レジ袋に入れて貰って帰宅する。
大して面白くないテレビを点けながらおにぎりを頂く。それから缶アルコールをぷしゅ、と開けて飲んだ。
──中央勤務っつー事はあの酒蔵の和酒、買いに行けそうだな。今度の発売、いつだっけ?
ずっと飲んでみたかった酒に少し近付いた事に気付き、ちょっとだけ嬉しくなる。
ナッツの袋も開ける。小袋に1種類のナッツが入ったのが数種類入ったやつ。大きめのもあったのだが、そんなには要らないから小さいやつにした。手を突っ込み、触れたやつを出す。それはピーナッツの小袋だ。
ぱき、と殻を割り中の実を頂く。缶アルコールとピーナッツ、引越しをささやかに労うには丁度良かった。殻を捨てようとゴミ箱を目で探す。手を伸ばしても届かない所にある。
「めんどくさいなぁ」
殻をゴミ箱に向かい投げた。綺麗な放物線を描きながら、それはゴミ箱手前の飼育ケースに落ちた。僕は目測を誤ったのだ。
「やべ」
これまた面白い状態になっている。投げた殻は飼育ケースのスライムに見事と言うべき角度で刺さっている。それが、しゅわしゅわと言う本当に小さな音をたてながら、スライムに埋まった部分から消滅していったのだ。スライムはいくら淡い水色とは言え透けている。それなのに、スライムに埋まった部分は綺麗に消滅したのだ。
「何だこれ、面白い…!」
ピーナッツの殻を全てスライムに投げてみる。それらは全て、スライムに埋まり消滅した。
本日の発見。
スライムはピーナッツの殻を食す(らしい?)。それは取り込み消滅させる形で食す(らしい?)。
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2021/12/20/◆2発見
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