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『妙なメモが入っている。拾ってみますか?』
白い紙切れが、ボックスの中にぺらっと落ちている。当然拾わない手はない。はい、を選択したところで、内容が表示された。
『カナコは復活する、と書かれている。どういう意味だろう?』
そこで、ぴろりん!という可愛らしい電子音が。
そして“復活モードが追加されました!スタート画面で選択できます!”という表示が。
「よっしゃ見つけた!ここか!」
僕は思わずガッツポーズをする。なるほど、結構目立つ場所なのに、カウンターを調べてみんなが満足してしまうので存外気づかれにくかったというわけだ。仲間達よりも早く発見できたことで僕は舞い上がっていた。これはいち早くプレイして、みんなにその面白さを教えてやらねばなるまい。
リセットボタンを押して、再びスタート画面へ。なるほど、確かに“はじめから”“つづきから”“設定”のモード以外に、“復活モード”の文字が増えている、さてさて、どんなシナリオになるのやら。僕はわくわくしながら、その文字を選択した。
すると、意外なことに始まったシーンはいつもの大学からではなく、あのマキがいるマンションではないか。
『ここね、と私は思わず呟いた。
このマンションの405号室に、お兄ちゃんの元恋人だったというマキという女が住んでいるらしい。彼女ならきっと、お兄ちゃんの行方について何かを知っているはずだ。話を訊きに行かない手はないだろう。
でもこのマンション、何か嫌な予感がする。
周囲の様子に気を付けて、慎重に進んだ方が良さそうだ。』
マキのマンションに来る流れは、今までのシナリオと変わらないようだ(そこまでの第一章、第二章の流れが大幅にカットされているが)。このマンションで、いつものシナリオと違う物語が展開されるのか。
ひとまずモノローグが終わったところで、僕はメニュー画面を開いた。やはり、セーブという文字が追加されている。直前でセーブして、何回でもやり直せるというわけらしい。しかも、セーブスロットが複数用意されているのが有りがたい。復活モードに限り、好きな場所からのやり直しが可能であるようだ。
「よっし、行くぞ!」
そして僕は。未知の復活モードに足を踏み入れて――そのモードが何を意味するか、直後に理解することになるのである。
いつもの通りカナコを走らせてマンションに飛び込もうとしたところで、横から凄まじい勢いで自動車が走ってきたのだ。
「え」
どしゃ、ぐしゃ!という生々しい音と共にカナコが吹っ飛び、画面に真っ赤な液体が飛び散った。うっそ、と思った途端、ゲームオーバーの文字が大きく表示される。
「あ、あっさり死んだぁ!?」
いつもなら、こんなところに車なんて走って来ないのに!
あんぐりと口を開ける僕が見ている前で画面が変わり、表示されるのはこんな赤い文字だ。
『復活の呪文を唱えますか?
※好きなセーブからやり直すことができます。』
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