04 ヨガ教室とお勉強

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 そのひとは、快活な笑顔がとてもステキだった。  赤毛とブロンドの中間くらいの明るい色の髪。整った顔立ちだけど、「キレイ」というより「カッコイイ」というほうが似合う。今年で十五歳だというが、ずっと大人びていて、思わず「お姉さま」と呼びたくなる。  彼女を見た瞬間、わたしは硬直してしまった。 「ジーナ・トリリトンさん…!」 「あら、どこかで会ったかしら?」  硬直したわたしに、彼女──ジーナは明るく笑った。 「ええ、ずっと昔に、ですけど‥…」  彼女と会ったのは、前世でのこと。  ──乙女ゲーム『恋はアルカナ』。  彼女、ジーナは、攻略対象の一人、リーマン・トリリトンの姉だ。そう、わたしを転落死させるリーマンの姉なのだ。  ゲームでは、不器用な弟の恋を応援する、お姉ちゃんキャラとして活躍していたっけ。  アスターと面識があるようなシーンはなかったと思うのだけど。 「えっと、それで何かお悩みになっていることがあるのでしょうか?」  ジーナさんは元気溌剌な美人。美容や健康に悩みがあるとは思えないので聞いてみた。 「悩み? 別にないわよ。でも異国の健康法というものが知りたくてね。ちょっとうさんくさい感じが気になったのよね」  やはりうさんくさいですか。でもそこにひかれて来る人もいるのか。 「それで? どんなものを使うの? ハーブ? 特殊な魔法の器具とかあるのかしら?」 「基本は呼吸です。それに様々なポーズを組み合わせます、器具は…ウェアとマットがそうかな? 特殊ってほどのものではないですが」 「あら、ずいぶんとお手軽ね。あなたって、欲がないのね」 「ええっ? そうですか?」  たくさんお金を稼ぎたいと思っているのですが。 「そうよ。美容と健康のためならいくらでもお金を出す人って多いのよ。わけのわからないポーションや器具をどんどこ買い込んだりね」 「なるほど……」  なんで気づかなかったんだろう。そう、教室だけでなく、グッズでも稼げるじゃない。
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