二話 まったくこれだから貴族ってのは 2

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二話 まったくこれだから貴族ってのは 2

「そこまで言うのであればわたくしにも考えがあります。 例えば…………昨夜の真実など、この場でお話しすると言うのはいかがでしょうか?」 「……………ッ!?」  おっと、これは言い返せない。  流石はアリシア様、駆け引きがお上手だ。  というかあんたこのタイミング狙ってたな?  まあどうせ左角でクスクス笑う二人組。 「はは、流石はアリシア様だね。 良い頃合いにやってくれる」 「ふふ、ええそうね。 予定より遅かったから少し不安だったけれど」  やっぱり兄貴と姉貴の差し金かよ。  深夜に話した時何か企んでいそうではあったけど、まさかアリシア様を巻き込んでこんな事を考えていたとは。  ……どうせなら真実を明るみにして失脚に追い込めば良いのに。  そんな事を考えながら二人を見つめていたら、ビブレの悔しがる声が耳に届いた。 「ぐぬぬ……。 …………仕方ありませんな……。 ではこの者への刑は追放のみという事で。 反逆者という言葉も取り消しましょうぞ。 それでは私は少々立て込んでいる仕事がありますので、申し訳ございませんがこれにて失礼…………」  旗色が悪くなりそそくさと逃げ去ったビブレが居なくなった謁見の間は、それまでとは違いスムーズだった。 「お父様、ではわたくしが提案したように追放という事で」  いや、あんたが提案したのかよ。  王様の一存かと思ってたよ。 「そうであるな。 ではエンデュミオン家の三子、シオンよ。 貴殿への刑を言い渡す。 罪状は貴族への暴行。 そして暴言である。 よってシオン・エンデュミオンは…………午後より都から追放。 そして以降、都への侵入を不許可の物とする。 ……異論はあるか、騎士シオン」  不満も異論もない。  むしろ追放ならすんなり受け入れるさ。    これで貴族のしがらみからも自由になれるんだからな。  兄貴達なら自分でなんとかするだろうし、ここに残ったって迷惑かけるだけだしさ。 「いえ、無いですよ。 死刑にならなかっただけマシってもんです。 助かりました、王様」 「ふっ、相変わらず口の減らぬ男よ。 しかし貴様の軽口が聞けんとなると、煩わしさは無くなるがちと寂しくなるな」 「ふふ、ですねお父様」  こうして俺の追放裁判は幕を閉じたのである。 「ではこれにて裁判を終了とする! 被告人、シオン・エンデュミオンは早々に荷造りをするように!」
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