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「反乱の芽だと? それは考えすぎではあるまいか? その者はエンデュミオン家の末子であろう? あの家の者は民がより良い生活を送れるよう尽力してきた。 なのに反乱を考えるだなんて考えられぬが」
当たり前だ、誰がそんな気起こすか。
そもそも反乱どうこう言うんならこの国の女に乱暴しようとしたビブレの方がある意味反逆者だと思う。
どうやら王様も流石にその虚言は聞き入れられなかったようだ。
が、ビブレは意見をなんとしても押し通そうとこんな言葉を王様に投げかけた。
「恐らく今までの善行は隠れ蓑でしょうなぁ。 いずれは下克上をと考えておったのでしょうぞ。 だからこそ私に闇討ちを……」
おいおいこの豚、言うに事欠いて何言いやがる。
闇討ちなんて誰がするか!
「なっ! ちょっと待て! そんな事うちがやる筈…………」
ないだろう。
そう否定しようとした時だ。
王様の右隣に座る、純白のドレスで身を包む白銀の髪の乙女がもう我慢ならないと言った面持ちでビブレを睨み付け……。
「ビブレ、失礼にも程があります。 訂正しなさい。 シオンさ…………エンデュミオン家の末子が反乱など企てる筈がないでしょう」
「で、ですが姫様……!」
しかしビブレは未だ俺を死刑にしようと反論する。
が、姫ことアリシア様は更にキツく睨むとこんな言葉を告げたのである。
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