一話 厄介な問題ほど舞い込んできてしまうものである

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一話 厄介な問題ほど舞い込んできてしまうものである

 自然が約六割を占める西の大国、リカード王国。  その国の首都リヴィテッドに聳え立つ王城に呼び立てられた俺は、案内され謁見の間にやってきた。  のだが、そこで俺は肝の冷える言葉を国王から浴びせられたのである。 「シオン・エンデュミオン。 貴殿を騎士団を除名とすると同時に王都から追放とする」 「………………は、はい?」  唐突な追放宣言に俺はついアホヅラを晒した。  するとそれを聞いていた太りぎみな重鎮や親衛隊の騎士達がクスクス笑う中、国王が続けてこう言ってきた。 「除名だと言ったのだ。 理由は分かっておるな?」  王は分かっているくせにとぼけるな、と言いたげな含みある瞳で俺を睨んだ後、隣に立つ肥え太ったブタ野郎をちらりと見やる。  そう、そいつこそが解雇となる原因となった大貴族。  ビブレ・トン・テキーラである。 「ふん!」  そのビブレクソブタ野郎は俺に殴られた頬を擦りながら、侮蔑を込めた瞳でこちらを睨みながら王にこう申告し出した。 「王様、僭越ではありますがなぁ。 そやつは私をコケにしたのですぞ。 ならばしかるべき罰があるのではありますまいかな」 「しかるべき罰なら追放で構わぬだろう? もしや死刑にせよとでも?」  し、死刑……だって? 「ほほほ、想像にお任せしますぞ。 明言はしませんがな」  どうしてこんな事になったのだろう。  ああ、本当に最悪だ。  事の起こりは昨日の晩。  深夜に起きた事件に遡る。  
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