episode.1

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キーンコーンカーンコーン... 「はい、授業終わりー。次の授業までに予習しとくようになー」 「はーい」 「せ、先生!」 「ん?どうした?瀬良水(せらみず)。」 「予習ってする意味あるんですかー?」 「おー、あるぞー。予習しとけば次の授業簡単になるぞ。」 「え、そうなんですかっ!?予習しときますっ!」 「その調子だ、瀬良水!」 「はーい!」 ガララッ 「ねぇ、ほんとに予習するの?雪乃(ゆきの)。」 隣の席で親友の観花望夏(みはなもか)が話しかけてきた。 「うん、やるよ!だって、次の授業簡単になるんでしょ!?」 「いやぁー、わかんないよ。あの先生、毎回むずい問題しか出してこないし。」 「いや、でも勉強する!」 「純粋だなぁ、雪乃は。まー、雪乃がやりたいならやれば?私は言ったからね!」 純粋と親友に言われた私は、瀬良水雪乃(せらみずゆきの)。 お腹減りすぎた...。 「あー、お昼か。...って!望夏待ってよー!」 私は、先に購買に行った望夏を追いかける。 その時 ズルッ 走っていた足が絡まり、私はコケた。 「...いったぁ...。ちょ、望夏ぁー、コケたんだけど...」 すると、望夏はすぐにやってきた。 「もぉ...、雪乃はドジなんだから。私がいないとだめだね!」 「私って、いいとこ無いなぁ...。ドジだし、勉強できないし...」 「雪乃の武器は、その「顔」だね。」 「顔?私、可愛くないよ?」 「何言ってんの?雪乃は学園市の美女なんだよ!?ほんとに自分で自覚しないよね、雪乃。今まで何人雪乃に告白してきた?」 「えぇと...。30人くらいだったけ?」 「そう!でも、肝心の雪乃は!」 「誰とも付き合わなかったよ。よく知らないし、初めて会って告白してきたんだもん!」 「まぁ、そういうとこが雪乃らしくていいんだけどね。」 「そ、そういう望夏こそっ!モテてるじゃん!今まで何人に告白された?」 「ざっと、10人は超えてるよ。誰とも付き合ってなけど。」 「だよねぇ...。誰か、私の前に王子様は来ないかなぁ...。」
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