第一話

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そんな同い年とは思えないほどの責務を果たす龍牙の秘書を 務めるのは大変だ。 薬の効かないオメガであるため 月に数日程度、休まなくてはならないが、 楓は秘書業を完璧にこなしていた。 しかし、最近一つの問題と直面している。 楓は仕事場につくと、パソコンを立ち上げ まず溜まっていたメールを一つ一つ丁寧に確認した。 そして、気になったメールを見つけると タブレットを広げ、同じ画面を写し、 龍牙のいる部屋へと繋がるドアをノックをした。 専務室は2部屋に分かれている。 手前の小さな部屋は受付のようになっていて、 そこが楓の仕事場で 龍牙の部屋はその奥にある。 返事があり、部屋に入ると、 タブレットを触りながら、 伝達ミスがないように、もう一度内容を確認した。 そして、パソコンに目を向けていた龍牙が 楓の方を見るなり、口を開く。 「昨夜パトラ商事の会長補佐からメールが届いており、 今晩パトラ商事の会長と令嬢も含めての食事をしないか、と言う お誘いがございました。 いかがされましょう。 もう既に先月も二度お断りされていますが・・・」 「構わない、また断っておいてくれ。 こっちは、もう三日も会食続きだ」
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