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「一緒に地獄のような天国で過ごしませんか?」
なんとなく目に留まった。SNSの広告といえば大体が男性向けのアダルトなものだから、こちらに語り掛けてくるような広告は珍しい。
クリックすると白背景の質素なページに飛び、氏名と電話番号を記入するフォームだけが表示されていた。
何かトラブルになっても番号を変えればいい話だと思い、名前と番号を打ち込み、その日は寝ることにした。
スマホのショートメッセージに連絡がきたのが数日後。
応募をしたことへの簡素なお礼の文章に日付と時間と集合場所、一週間程度過ごすために必要な持ち物、と添えられていた。
メッセージには謎のURLが届いてウイルスに感染するだとか、怪しげな営業電話がかかってくるだとかそういった未来を予想をしていたから、話が進んだことに驚いた。
とはいえそこまで前向きに考えていなかったので素直に行くかどうか悩んだが、特にすることもないし、この期間が何かプラスに働くことになればと指定された日時と場所に行くことにする。
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