211人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
「まぁ、そうだろうね。みゃーちゃんは俺のこと好きだしね」
「いや、そういうわけでは、なくてですね……」
「俺は寛大な男だから許してあげるよ。でも、ちょっと心配だから試させてもらおっかな」
「ーーーは?」
「みゃーちゃんに跨がってたら、ムラムラしてきちゃってさ」
凌生は手を蛸の足のように、うねうねと動かした。
都子は凌生の言葉が理解出来なかった。人間じゃなくて猿だったのかも。
そういえば、さっきもよくよく考えると変なことを言っていた。うっかり流してしまったが、『子供ができなくなったら』ではなく、『子作りできなくなったら』と言っていなかっただろうか。
「反省してるなら、良い子でじっとしてるんだよ。あ、マグロになれって言ってるわけじゃないからね。存分に喘いでいいからね」
凌生は、ほくほくとした顔で都子の腰を撫でまわす。
「え?! ちょっと! 仕事! 心霊撮影!!」
「そんなのビデオ回してるんだから、撮れるときは撮れるだろ。そんな一瞬の怪奇現象より、日々の俺の生理現象をおさめよう」
どうもこの男は、なぜ蹴られることになったのか、わかっていないらしい。しかもミーティングで言ってたことと、全然違う。
最初のコメントを投稿しよう!