4 予選準備開始!

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 しかしながら、美晴と木乃香は冷静だった。型紙と説明書を見ながら、 「まぁ作る分には大丈夫そうだね」 「うん」 と声を掛け合う。 「えっ、大丈夫なんですか?」 「まぁこれくらいなら。サイズも小さいし。問題はオリジナリティだよ。服を作りながら分担しないといけないわけでしょ?」  美晴は型紙を製作台の上に一枚ずつ重ねて広げる。てっぺんには一番大きな型紙が来た。 「これがケープの部分だね。フードがついつるタイプで、前はリボン結びで留める感じ」  皆は頷きながら型紙を見る。 「さて、うちには今ビーズ、羊毛フェルト、編み物、刺繍のプロがいます。これを担当ごとに分けていく。そのためにはみんなの意見が必要だ」 「いや、プロじゃないし」  ツッコミを入れた日和を無視して、睦月がスマホをいじりながら写真を見せた。 「赤ずきんで調べたら、結果いろいろ出てきますよ。ケープにレースをつけたり、刺繍をあしらったり」 「うわっ、確かに可愛い……でも調べたのをそのまま使ったら、オリジナリティどころかパクリにならない?」 「あぁ、そっか。きっと主催者側も見てるはずでしょうしね」 「じゃあ何か意見のある人はいる?」  その時に穂波が手を挙げる。 「はいっ、ほなみん!」 「あの……こういう感じのお花モチーフのレース編みなら出来ます。フードの部分を囲うくらいの長さを編んで、縫い付けるのはどうですか?」  例えばと言いながら、穂波はタオルハンカチを取り出し、その縁取りのレースを見せる。全員驚いたように目を見張った。 「……これ、自分で編んだの?」 「はい」 「買ったんじゃなくて?」 「はい、これは小さめですけど、フードなら少し大きめで作って目立たせた方が良いかもしれませんね」 「でもさ、せっかくならケープ全体の縁をレースで覆った方が可愛くない?」 「が、頑張れば出来そうだけど、たくさんだとしつこくないですか?」 「……いや、むしろ可愛い気がする……」 「……間に合うかわからないけど、頑張ってみます!」 「頼んだ! ほなみん!」  穂波は戸惑いながらもとりあえず頷いた。
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