走り出す

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 残り一試合を残しての途中経過を紀夫と幹也は2人で確認した。  試合を終えたばかりの紀夫達のチームの結果がリーグ戦表に記録される。 「俺達は3勝1分けの勝ち点10かぁ・・・。リーグ・・・」 「2位だよ・・・」  幹也の口からは重苦しい感情がこもった感じの言葉が出た。 「2位かぁ・・・」  紀夫がその結果を見つめながら、1位のチームを目で探していると、幹也が続けて、「しかも、次の対戦相手が1位だよ・・・」と言った。  次の対戦相手は、このフットサル場のスタッフが中心となる、チームだった。 「スタッフチーム・・・」 「手強いとかの話じゃない。勝てる相手じゃないよ・・・」  その理由はわかっている。  スタッフチームというのがチーム名ではあるが、彼らは以前、このフットサルコートでアルバイトをしていたメンバーが、当初、フットサル場を盛り上げる意味で立ち上げたチームだが、今では地域リーグにも出場している、力のあるチームだった。 「今回のメンバーは・・・」 2人の視線はコート脇のベンチに座って何やら雑談をしているスタッフチームの面々に向けられた。 「フィールドはいつものメンバーだけど、ゴレイロがキムかぁ」  キムというのは、木村という元スタッフの事である。  彼は身体がデカいが、その反応速度も早く、ほぼ鉄壁のキーパーであると言える。  2人は自分達のベンチに戻った。
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