2人が本棚に入れています
本棚に追加
作戦
「仇を取るって、どうやって?」
山本 久留実はエグゼに尋ねる。
「ん?そりゃあ、本人の口から言わせりゃいいんだよ。それしかねぇだろ。」
さも当然かと言うようにエグゼは告げる。
「そんなことできるわけないでしょ。もっと考えてよ。」
私が溜息混じりに言葉を返す。
「いや、そうでもないぜ。あのジイさんは既にこの事件が12年前の事件が関係していることに気づいてるはずだ。これ以上探られればその事件が表に出てしまう。そのことを恐れたジイさんはあんた達へ事件捜査の打ち切りを命じた。後は、山本 久留実、あんたの始末をどうするか今頃考えているだろうよ。ほっといたら今度は自分が殺されることは目に見えて分かっているからな。そんな時だ、その山本 久留実本人に交渉がしたいから一人で来いと呼び出されたらジイさんはどう動くと思う?」
「…呼び出し場所に来るかもな。」
警部が答える。
「でも、来なかったら?それに本当に一人で来るとは限らないわ。」
私の心配に
「呼び出すときに『証拠はそろってる。ばらまかれたくなかったら一人で来い。』とでも嘘言っときゃいいんじゃね?」
エグゼはそう答えて、山本 久留実を見て
「確かにこの作戦は賭けの要素が強い。乗るか乗らないかはお前が決めな。」
そう言う。しばらく山本 久留実は考える素振りを見せて
「…いいわ。その作戦に乗るわ。」
そう答えた。
最初のコメントを投稿しよう!