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第二の事件
現場に着いた私達が見たのは、前回と同じように四肢が切り落とさた遺体だった。その遺体には、やはり花が咲いている。
「そんな、どうして…」
「クソッ!!」
警部は忌々しげに言葉を吐き捨て、
「とりあえず、山本 久留美のことを考えるのは後だ。今はこの現場の捜査をするぞ。」
そう言って現場の捜査を始めた。私も気持ちを切り替え、現場付近の捜査を開始した。
事件の起きた現場は前の廃墟とは違い、下に川が流れる橋の根本に横たわっていた。
通報したのは、この近くをジョギングしていた女性。
「前と同じなのは、被害者の性別と殺害方法、後は咲いている2種類の花だけかなぁ。」
私は呟く。
「いや、殺害方法は少し違うようだぞ。」
そう警部が声を掛けてくる。
「警部、どちらに行かれてたんですか?」
「ちょっと鑑識に話を聞きに行ってた。」
「それ、私の仕事じゃないですか。言ってくれたら聞きに行ったのに。」
「まぁ、たまにはいいさ。それで、殺害方法なんだがな、四肢の他に男性器が切り落とされていた。そこにも花が咲いてたそうだ。」
自分の顔が引きつったのが分かる。警部も痛々しそうな顔をしている。
「この事件と最初の事件を起こした犯人は同一犯と考えるのが普通ですよね?」
「そうだな。と、なるとますますエグゼに話を聞かなきゃならねぇ。」
ポツポツポツ
この事件の不穏さを表すように空には雲がかかり、次第に雨が降ってきた。
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