エピローグ

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あれ 「捨てちゃう・・の?」 携帯の方を指差す 彰良のなんだよ・・ね? 「いーんだよ、とっくに新しいのにしてるし。 あいつだってこっち来る暇ないだろ?」 「・・確かに。」 ──デビューを飾ってからの彰良の騒がれ方は異例だ デビュー試合で一人でいくつものゴールを決めた上、ダンクも連発したし目立つことこの上ナシだった。 実力だけじゃなく、外見の素材もそれなりに良い インタビューにもジョーク交えて慣れたもんで、たちまちチームのファンだけでなくにわかでファンが出来る位ちょっと有名になっていた。 「でも遥奈の存在まで言っちゃうなんてバカだよねぇ、」 「まあ・・彰良なりの女避けじゃないか?」 ・・颯太は彰良の文句言わないもんな。 何かで『彼女います』なんて言ったみたいで、私ですら周りに聞かれたら位。結果そんな事までちゃんと言うとかで好印象ってまとまってたけど、・・まあ遥奈も理解しているなら確かに私は良いんだけどさ。 そんな感じでこっちに帰ってくる余裕もあるわけなく、 颯太は別にいつでも会えるからとか言うけどー・・ 颯太が寂しくないんなら良いんだけどー・・ 「・・颯太には私が居るからね。」 「え?」 はっ なんか背中が寂しそうだったから、つい 聞いてなかった答え方したくせに、たちまち笑いだす颯太 しっかり聞かれていたし 「今度、彰良の試合見に行こうか。」 「それより颯太の試合見たい。」 「・・そうか、頑張らなくちゃな。」 「・・・。」 なによ いきなりそんな事言われると どう返したらいいか分からなくなるじゃない ぐるん 急に肩に回った腕に身体が固まる 「翠って・・ほんと面白い。」 固まった私を横で笑ってる 「・・むかつくー。」 だって だってこんなの いつまで経っても慣れる気がしない。 ・・・けど 慣れなくても良いかな、 「颯太、大好き。」 「・・・、」 ほら 颯太も慣れてないし。 こんな顔 ずっと見ていたい ずっと ずっと好きだったんだから── ◇◇◇◇◇ 【君を好きだったから】 おわり ◇◇◇◇◇ あとがきへ続く
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