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翌朝
起きて机の上を見ると、チョコがない
もしかして、間違えて呂玖の紙袋に入れちゃった?
どうしよう。呂玖ってバカだけど、意外とちゃんとしたとこあって、
きっとどのチョコをどの子からもらたって覚えてる。お返しとかそういうの義理堅い子だから、絶対に覚えてるはず。そうしたら、送り主不明のチョコが出てきてしまう。もうぉ私何やってるんだろ。
そうは言っても、昨日の今日で、一緒に学校行こうとも言いずらい。
呂玖より早く家を出ようと思って、急いで家を出る。
こういう時、お隣同士は面倒だ。
「あれ、まな?」
「りみちゃん」
「おはよ 早いね」
「う…うん」
中三で部活を引退しているから、りみちゃんたちがこの時間に通学してることをすっかり忘れてた。
「あ、チョコありがとね。呂玖もまなのチョコじっと眺めてたよ」
「…!なんで私のチョコって…」
なんで私のチョコってわかったの?って聞こうと思って、
吉仲家には、みんな同じ包みのチョコにしたのを思い出した。
そして、やっぱり、渡せなかったはずのチョコが、呂玖の手に渡っていたことを知った。
「まな、呂玖となんかあった?」
りみちゃんに聞かれて、ハッとする。
「う、、ううん、何もないよ」
無理に笑顔を作ってみる。
そんな私を見て、りみちゃんは、
「まぁ、やっとお互いいろいろ意識できる年齢になったってことかな」
と言って笑った。
中学生なんて、きっとそんなに大人じゃないのかもしれない。
けど、その時のりみちゃんはとっても大人びて見えて、呂玖にそっくりなその笑顔が、なんだかとってもキラキラして見えた。
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