好意をむけられて

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 「そのときは、優奈が不安そうだったからそう言ったの。でも、約束したのは事実だから」  私は俯きながら話を続ける。  「このまえ一平と遊びに行って帰ってきてからね、優奈の夢を見たの。私は一平くんともう遊びに行けないのにってすごく怒ってた。そりゃそうだよね。それに、あの約束は嘘だったんですか? って言われたの」  「なんですか、それ。夢でしょ?」  「でも、きこえるのよ。優奈の無念さ、悲しみが。だから私はもう、一平とは一緒に遊びにいったり、飲みにいったりできない」  「……俺の話、いつでも訊くって言ってくれたじゃないですか」  「も、もちろん悩んでる時は話し訊くよ。でも、そうじゃないときは行かない」  そこまでいって下唇を噛んで黙る。うつむいていると涙が出そう。切なくて悲しい。本当は……一平と遊びに行きたい。あんなに楽しかったの初めてだったから。  「涼香さんが優奈とその話したのっていつですか?」  「え? あぁ、3年生の冬だったから、事故の1年前くらいかな」  「優奈はなんて言ってました?」  「……一平が好きすぎて辛い、もし別れたとして他の人と一緒になるのなんかみたくないって言ってたよ」  「他には?」  「んー。あ! 私に嫉妬してるって言ってた。合宿のときに、私が優奈に教えたレシピでごはん作ると、一平がベタ褒めするから、胃袋を私に掴まれてるみたいで嫌だって」  あれ。改めて優奈の言葉を口にすると、未熟さや、不安からくる独占欲に満ちているなと感じる。ほんの少しの身勝手さも。
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