チャロアと99人の魔法使い

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「ただいま。(とう)さん、(かあ)さん」 「おかえり。おや、チャロア。どうしたの」 「なんだか元気(げんき)がないね」  学校(がっこう)から(かえ)ったチャロアを見て、お(とう)さんとお(かあ)さんは心配(しんぱい)そうにたずねた。 「ねえ、サンタクロースさんになりたいって(ゆめ)は、おかしなことなのかな」  チャロアはだんろの(まえ)にすわると、ぽつりとつぶやいた。 「みんなに、『そんなのなれっこない』って(わら)われたんだ」  お(とう)さんとお(かあ)さんはチャロアに()りそうと、やさしくほほえみかける。 「ちっとも、おかしなことじゃないよ。りっぱな(ゆめ)じゃないか」 「そうよ。すてきな(ゆめ)だと(おも)うわ。チャロアはどうして、サンタクロースさんになりたいと(おも)ったの?」  チャロアは、去年(きょねん)のクリスマスのことを(おも)()していた。  子どもたちは、クリスマスの夜は町の広場(ひろば)(あつ)まる。大人(おとな)たちも、広場(ひろば)(あつ)まる。この日だけは、学校(がっこう)仕事(しごと)もお(やす)み。  広場(ひろば)()ん中には、大きなクリスマスツリーがある。  子どもたちはおどったり(うた)(うた)い、大人(おとな)たちもそれを見守(みまも)る。  そして子どもたちは、学校(がっこう)(おそ)わった光を(とも)魔法(まほう)で、ひとり1つずつ、ツリーに光を(とも)していく。  すべての子どもが光を(とも)()え、12時(じゅうにじ)になると、教会(きょうかい)のかねが()る。それが、サンタクロースさんがやってくる合図(あいず)だ。
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