チャロアと99人の魔法使い

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 ほら、こっちへおいで。(わたし)(いま)から、おもしろい(はなし)をしてあげよう。  小さな魔法使(まほうつか)いの(はなし)さ。  さあ、はじめるよ。    (さむ)(さむ)い北の(くに)に、世界(せかい)でただひとつの魔法(まほう)の町「モルガナ」がある。  (とお)(とお)(むかし)から、魔法使(まほうつか)いたちがくらす、ひみつの町。魔法使(まほうつか)いたちは、町からは(まった)く出ずにくらしている。  この町のことや魔法使(まほうつか)いたちのことを、世界中(せかいじゅう)のだれひとりとして知る(もの)はいない。  そんな場所(ばしょ)が、いったいどこにあるのかって?  森の中、から入るのさ。それ以上(いじょう)(おし)えられないよ。  モルガナは、(ふる)歴史(れきし)が色づく小さな町。  レンガづくりのさんかく屋根(やね)の家がところせましと立ちならび、家々(いえいえ)のえんとつからは白いけむりがたちのぼる。  太陽(たいよう)が町を見守(みまも)時間(じかん)、みんなは(いえ)(ねむ)りにつく。  そして太陽(たいよう)が森のふわふわベッドで(ねむ)るころ、この町は()()ます。  家々(いえいえ)やお店に光が(とも)り、大通(おおどお)りは()きかう人々(ひとびと)でにぎわう。光るブタに、音の()るリンゴ。(わら)うネコ。(うた)う花。  町には魔法(まほう)と光があふれ、いつもたくさんの笑顔(えがお)があった。  いつからだろうか。この町から、魔法(まほう)()えていったのは。  なぜなのか、だれも知らない。  ひとり、またひとりと魔法(まほう)使(つか)えなくなり、()づけば大人(おとな)魔法(まほう)使(つか)える(もの)はいなくなっていた。子どものころは魔法(まほう)使(つか)える。しかし、成長(せいちょう)するにつれて、魔法(まほう)の力が(からだ)から()えていく。  だれもが魔法(まほう)使(つか)えていたのは、もう100年前(ひゃくねんまえ)(はなし)だ。
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