0人が本棚に入れています
本棚に追加
中学校の卓球部員だった自分は
スポーツにあまり関心がなかった
歩いたり走ったりするのは好きだが
球技が苦手なのだ
サッカー以外はほとんどやらなかった自分は
楽そうだという理由で卓球部に入る
思春期の少年にとって
パッとしない卓球部員で
いつも悪ふざけして遊んでいることも
気に入らなかった
ちょうど流行った卓球漫画のように
ダサいスポーツだなと思った
そんなある日
県南の有名中学校から転校生がきた
県南は県北と違ってスポーツが強い中学校が多い地区で
大会もレベルが高い
彼は卓球部に入った
すると
練習試合で無敵の強さを発揮した
相手の打球をひたすら返して食らいつくような
地味な卓球だった
熱いタイプではないが
卓球にはひたむきだった
いつの間にか自分も真面目に素振りするようになった
彼と一緒に帰ることが多く
家に遊びに行ったとき
家に卓球台があって
いつも練習していることを知った
自分は全く強くならなかったが
毎日練習してみた
彼の活躍で団体戦で地区大会を
勝ち抜き
県大会へ進んだ
自分はベンチだったが
いつも目が半開きで自分と大差ないような
覇気を見せない彼が
相手を分析し戦略を立て
皆にアドバイスをするとき
輝いて見えた
練習でも有名なアマチュア選手を読んだり
遠征して練習したり
するようになり
自分も進んでランニングするようになった
最初のコメントを投稿しよう!