魔女学校の門出の儀

「卒業式は、まだ終わっていません！」

魔女学校の卒業式が終わる頃。荷物をまとめた卒業生たちが旅立たんとする中、在校生代表の声が高らかに響いた。それを合図に、在校生たちが学校の敷地内に散らばり、呪文を唱え始める。大規模な術式の発動に、卒業生たちが目を丸くしていると、突如として突風が吹いた。春一番を思わせる強風に思わず目をつむる卒業生たち。程なくして、帽子や身体に軽い何かが当たる気配。目を開ければ、黄色の花が、ピンクの花が、はらり、はらり、と次々に落ちてくる。見上げれば、青空から数多の花が降り注いでいた。

　巣立ちの時は今。一人前となった魔女たちは、祝福の花が舞う中、学び舎から飛び立つ。