寒影
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寒影
眼は本質を覗いている 瞼が現実を塞いでいる 遥かな空の向こうまで 無機質な記号が並んで 外気にさらされた掌は その痛みすら忘れていく 箱庭に捕らわれた鳥のようで ただ囚われていたい人の様で 朽ちて果てる時を望みながら 今日は明日はと足掻いている 眼は現実を映している 瞼が本質を隠している すぐ傍に転がる幸せを いま隣にある優しさを 血の通う左手が思い出す 悴んだ手の確かな温もりを
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