残響

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残響

心ひとつ言葉ふたつ 故に揺らいでいる 残された憂いは響く 五感で輪郭を形作る 世界の有り様には飽きた つまらない繰り言 下らない世迷い言 口に出す度に色褪せる 今がこの瞬間が嫌いだ 誰も彼もが消えていく 夢の狭間に薄れていく いつか訪れる別れは 悲しみかそれとも幸せか 微睡みのような時の流れ 取り残されていく寂寥 未だその場所ある灯火 失われていく熱と感性 それでも温もりは変わらない 心ひとつ言葉ふたつ それが迷いならば それが憂いならば いつまでも揺れて ずっと奏で続けて いつか誰かを導く為の 終らぬ残響になればいい
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