夏火

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夏火

夜明けに覗く寂寥はいつか 消して失くした心を映して 陰火を幻視する虚ろな瞳は 停滞する現在に濁っている 指先が触れた空気の輪郭に 押し留められた滴は揺れて 伝うべき意味を問いかける 朝焼けに滲む寂寞はやがて 消えて失われて心に溶けて 重ねた想いが縁取られていく 褪せる事のない涙が飾られる
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